ヘルニア

「ヘルニア」とは日本語にすると「飛び出す・突出」という意味です。背骨は上から頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個と別れていてそれぞれの間には椎間板というクッション材の役割をした組織があります。

その椎間板が押しつぶされ、中から「髄核」という組織が飛び出してしまった状態を「ヘルニア」といいます。

そしてその飛び出した組織が、脊髄から出た神経を圧迫してしまう事によって様々な症状や激痛を引き起こしていしまうのです。

椎間板によって坐骨神経を圧迫するので、症状は坐骨神経痛と殆ど同じような症状です。痛みを出す原因がお尻の筋肉か、椎間板の問題なのか異なりますので、施術するポイントやアプローチの仕方は異なります。　　　　　

①腰痛

何もしなくても腰全体に鈍痛があったり、前にかがんだり、後ろに反るのが辛くなってきます。

②お尻（臀部）の痛み

殆どが片側のお尻の筋肉が痛くなりますが、両方のお尻の筋肉が痛くなることもあります痛む側に体重をかけると痛みが増したり、お尻の筋肉がひきつれるような感覚や引きちぎられるような痛みが出ます。

③足がしびれる・痛む

上記の症状が更に悪化すると坐骨神経の走行に沿って痛みが出たり、しびれたりします。坐骨神経はお尻の筋肉の間からスタートしてももの後ろ、膝から下、足の指までつながっています。

④足の感覚がおかしい

個人差はありますが、足の指や足の甲、ふくらはぎの外側などの感覚が鈍くなったり、異常な感覚になる事があります。

場合によっては①②の症状がなくても③の症状だけ出る方もいます。

⑤足に力が入らない

ひどくなると足の指や足首に力が入りにくくなってきます。特に足の親指を反らせるのが困難になってきます。

自分の力で全く足首を反らせなく、パタンパタンと歩いてしまう場合は早急に専門の医療機関を受診しましょう。手術適応や入院が必要かもしれません。

まずはじめに、飛び出してしまった椎間板は施術によって引っ込んだり、元の状態に戻る事はありえなく、手術以外では戻せません。

しかしガッカリしないで下さい。症状を改善させる事は多くの場合で可能だからです。

患者様は何故治療を受けるのでしょうか？もちろん痛みを取りたいからだと思います。では何故痛みを取りたいのでしょうか？日常生活を不自由なく過ごしたいからという方が大半だと思います。

なので私達の「目的」は飛び出したヘルニアを引っ込める事ではなく、以前のように不自由なくカラダを動かせる日常生活に近づける事が目的なのです。

しかし、椎間板が飛び出したままで症状が改善するの？と疑問を抱くかもしれませんが、症状（腰痛や足の痛み・しびれ）とレントゲン画像は一致するとは限りません。

例えば、病院でレントゲン検査を行い、椎間板が飛び出ています「ヘルニア」と診断されとします。そのまま2週間入院して動けるようになったところで再度レントゲン検査を行ったとしても飛び出した椎間板は引っ込むわけはありません。しかし症状は改善されるのです。

逆に全く無症状の腰痛も足のしびれもない方がレントゲン検査をしたら椎間板がつぶれていますね。と言われる可能性も大いにあるのです。

このように椎間板の減少を指標にするのではなく日常生活の質を上げる事を目標にして頂きたいと思います。

ヘルニアは一生付き合うものだと長期的に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。

では何故、こんなにも治らない（症状が改善されない）のでしょうか？

慢性腰痛でもそうですが、痛み止めを飲んだり時には注射をしたり一時的に良くなることはあります。しかし、その薬の効果が切れればまた痛くなってしまいます。

大事なのは「何故この痛みが出ているのか」ここにしっかりと注目をして、根本となる原因を消さないと良くなりません。

ではその原因とは何でしょうか？

個人差はありますが、筋肉の問題、骨格の歪みの問題、筋力低下の問題、神経の癒着の問題などが考えられます。

ヘルニアと診断されたけど、足の痛みやしびれ等の神経症状がない場合、それはもしかしたら本当のヘルニアではない可能性が高いので、メインの悩みが「腰痛」という場合は殆どの場合が改善可能です。

ヘルニアの中でも本当に手術が必要な場合もありますので注意が必要です。

〇足に全く力が入らない

〇膀胱や直腸の障害問題

上記の症状が出ている場合は専門の医療機関の受診が必要です。

手術適用か入院の可能性があります。